いぐいぐブログ-2

旧ブログ(2008年10月1日~2016年1月1日)

きことわ、苦役列車

文藝春秋(2011年3月号)芥川賞発表 受賞作二作 全文掲載。
・第144回芥川賞、「きことわ」朝吹真理子、「苦役列車西村賢太

・「「きこちゃん」 貴子の名を呼び、永遠子もわざと息をふきかける。
  たがいの息のかかるのがくすぐったく、のどを鳴らす。」
 ── 「きことわ」(朝吹真理子)、395頁。
・「今は一文字先がわからない感覚だけで書いている状態です。」
 ── 受賞者インタビュー、朝吹真理子、380頁。


・「やはりかの悪循環から逃れら
 れず、結句(けっく)相も変わ
 らぬ人足の身なのである。」
 ── 「苦役列車」(西村賢太)、
 448頁。
・「断然「私小説書き」である誇り
 を看板にしてゆきたい。」
 ── 受賞のことば、西村賢太
 445頁。
・「二つの小説は趣きも文体も違
 う。だが、共通する点もある。
 相応の高い技術で書かれてい
 て、洗練されているが、「伝え
 たいこと」か曖昧であり・・・。」
 ── 芥川賞選評、村上龍
 375頁。
 発行:文藝春秋社、2月10日発売、
 819円。