きことわ、苦役列車
・文藝春秋(2011年3月号)、芥川賞発表 受賞作二作 全文掲載。
・第144回芥川賞、「きことわ」朝吹真理子、「苦役列車」西村賢太。
・「「きこちゃん」 貴子の名を呼び、永遠子もわざと息をふきかける。
たがいの息のかかるのがくすぐったく、のどを鳴らす。」
── 「きことわ」(朝吹真理子)、395頁。
・「今は一文字先がわからない感覚だけで書いている状態です。」
── 受賞者インタビュー、朝吹真理子、380頁。
・「やはりかの悪循環から逃れら
れず、結句(けっく)相も変わ
らぬ人足の身なのである。」
── 「苦役列車」(西村賢太)、
448頁。
・「断然「私小説書き」である誇り
を看板にしてゆきたい。」
── 受賞のことば、西村賢太、
445頁。
・「二つの小説は趣きも文体も違
う。だが、共通する点もある。
相応の高い技術で書かれてい
て、洗練されているが、「伝え
たいこと」か曖昧であり・・・。」
── 芥川賞選評、村上龍、
375頁。
発行:文藝春秋社、2月10日発売、
819円。